【9月20日 AFP】フランス政府は19日、イスラム教スンニ派(Sunni)過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の掃討を目的とした空爆をイラクで初めて実施したと発表した。

 およそ10年前、米軍がイラクに侵攻した際には協力を拒否したフランスだが、今回は米軍がイスラム国の撃退を目指してイラクで行う空爆作戦に、他国に先駆けて参加した。フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は、「本日(19日)午前9時40分(日本時間同日午後4時40分)、仏軍のラファール(Rafale)戦闘機がイスラム国の物資貯蔵所に空爆を行った」と明らかにした。

 仏国防省の関係者によると、イラク北部の同国第2の都市モスル(Mosul)周辺でラファール2機がレーザー誘導爆弾GBU-12を投下し、大量の弾薬と車両、備蓄燃料などを破壊したという。

 イラク・クルド人自治区の民兵組織の報道官によると、フランスが空爆を実施したのはモスルとズマル(Zumar)の間に位置するタルムス(Tal Mus)。フランスは英国と並び、すでにイラク上空で偵察飛行を開始していた。

 米議会は18日、イスラム国掃討のため米軍がシリア国内でも空爆を行い、シリアの反体制派勢力を訓練し、武器を供与するというバラク・オバマ(Barack Obama)大統領の方針を認める決議案を承認。国連安全保障理事会(UN Security Council)は19日に開いた外相級会合で、イスラム国をはじめとする武装勢力による攻撃を非難し、イスラム国と戦っているイラクの新政権への支援を国際社会に呼びかける議長声明を採択した。(c)AFP/Jean Marc