【9月20日 AFP】米民間宇宙開発企業ブルー・オリジン(Blue Origin)は17日、ロケットの打ち上げを手掛けるユナイテッド・ローンチ・アライアンス(United Launch AllianceULA)と提携してロケットエンジンを開発すると発表した。

 米首都ワシントン(Washington D.C.)で共同記者会見を開いたブルー・オリジンのオーナーで米インターネット小売り大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の創業者でもあるジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏は、ULAと共同で新型ロケットエンジン「BE-4」を開発すると明らかにした。米国はロシア製エンジンへの依存度の低減を目指している。ULAは、米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)と米航空防衛機器大手ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)の合弁会社。

 ブルー・オリジンの声明によると、両社は今後4年で新型エンジンを開発。2016年には新型エンジンの試験を実施、2019年には同エンジンを搭載したロケットの初飛行を行う予定だ。

 開発するBE-4ロケットエンジンは、ブルー・オリジンとULAの次世代型ロケットに使用する。ULAは現在、アトラス V(Atlas V)ロケットにロシア製のRD-180ロケットエンジンを使用しているが、これについては今後も使用を継続する方針だという。

 BE-4の開発はすでに3年前から始まっているものの、開発費用は明らかにされていない。

■ロシア製エンジン依存に批判の声

 宇宙開発事業に乗り出している米国のもう1人のネット起業家で米民間宇宙企業スペースX(SpaceX)を創業したイーロン・マスク(Elon Musk)氏は、米国がロシア製のロケットエンジンに依存している現状を批判してきた。

 スペースXは今年4月、ULAが米空軍から大型事業を受注したことを受け、空軍は安全保障目的の衛星の打ち上げにかかわる競争からULA以外の企業を不当に排除しているとして、空軍を提訴した。(c)AFP