エボラ熱の予防対策チーム7人、殺害される ギニア
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【9月19日 AFP】エボラ出血熱が流行している西アフリカ・ギニアの村で、予防対策を周知するため政府が派遣した保健当局職員ら7人が、怒った住民たちに襲われた後、遺体で発見された。
ギニア政府の18日の発表によると、地元の衛生保健当局職員やジャーナリストらの遺体は、同国南西部の村ウォメ(Wome)にある小学校の浄化槽で見つかった。一行はエボラ出血熱の感染予防に関する訪問教育のため、16日に現地入りしたが、村人たちから石を投げ付けられた後、行方が分からなくなっていた。
地元警察によれば、16日の暴動では少なくとも21人が負傷している。暴動に発展したきっかけは現在のところ不明だが、エボラ出血熱の流行で村民たちの間には恐怖と妄想が広がっており、政府や国際機関は信用できないと感じているという。
ギニアでは多くの人が、エボラ出血熱の流行は意図的なものだとか、アフリカ人を医療機関に集めて血液を採取したり臓器を摘出したりするための方策だといった陰謀論を信じており、国内外の医療関係者はその一味だとみなされている。
リチャード・ハバ(Richard Haba)警部補は18日、AFPの取材に対し「知事に率いられた訪問団は、村人たちに石や棒で襲撃された」と語った。人々は、「エボラ熱は白人が黒人を殺すために生み出したものだと信じており、(訪問団が)村人を殺しに来たと思った」のだという。
今年初めにギニアで発生したエボラ出血熱では、同国だけでこれまでに600人が死亡した。西アフリカ4か国の死者は計2600人以上に達している。
ギニアでは8月にもンゼレコレ(Nzerekore)で、市場を訪問した消毒チームが商売をしていた業者らに告知せずに消毒剤を散布したことから暴動が発生し、機動隊と地元住民が衝突、少なくとも55人が負傷する事件が起きている。(c)AFP