【9月18日 AFP】イラク軍がイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」と続ける戦闘に米軍事顧問団が参加する可能性を、米軍制服組トップのマーチン・デンプシー(Martin Dempsey)統合参謀本部議長が示唆したことを受け、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は17日、米軍部隊がイラクで戦闘任務を遂行することはないと明言した。

 オバマ大統領は米フロリダ(Florida)州の米中央軍(US Central Command)司令部で兵士らに対し、「イラクに展開されている米軍部隊は、戦闘任務についておらず、今後つくこともない」と説明した。

 シリアとイラクでの対イスラム国空爆の実施を承認したオバマ大統領はこれまで、中東地域での地上戦に再び部隊を派遣することはないと繰り返し言明してきた。

 だがデンプシー統合参謀本部議長は16日、米軍事顧問団が戦闘の前線で「密接な戦闘の助言」をする可能性があると発言。一方ホワイトハウス(White House)は、米軍の地上戦直接参加は「完全に仮定のシナリオ」にすぎないと強調していた。

 オバマ氏の17日の発言が、このような作戦を排除するものであるかどうかははっきりしない。だがこの発言は、米軍部隊が戦闘に特化した任務を遂行することはないと強調しつつ、デンプシー氏が示唆した筋書きの実現を可能にする余地を残した内容とも受け止められる。(c)AFP