イラク軍の戦闘に直接参加の可能性、米軍制服組トップが示唆
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【9月17日 AFP】米国はシリア領内にあるイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic State、IS)」の拠点の攻撃を計画しており、さらにイラク軍の戦闘作戦に米軍事顧問団を直接参加させる可能性があると、米国防当局の高官らが16日に明らかにした。
バラク・オバマ(Barack Obama)大統領の最高軍事顧問であるマーチン・デンプシー(Martin Dempsey)統合参謀本部議長は上院軍事委員会の公聴会で証言し、現時点で米軍事顧問団が直接戦闘に参加する必要はないと考えているとしつつ、イスラム国に制圧されたイラク北部の都市モスル(Mosul)の奪回など極めて困難な作戦をイラク軍が計画する場合には、米軍事顧問団が戦闘の前線で「密接な戦闘の助言」をする可能性があると述べた。
デンプシー議長の発言を受けて米軍が中東で再び泥沼の軍事行動に引きずり込まれるのではないかとの臆測が飛び交ったが、ジョシュ・アーネスト(Josh Earnest)米大統領副報道官は、イラクとシリアで米軍部隊が地上戦任務に就くのは米国の国家安全保障にとって最良の選択肢ではないというはっきりした考えをオバマ大統領は持っており、デンプシー議長が言及した米軍の地上戦直接参加は「完全に仮定のシナリオ」にすぎないと強調した。
一方、デンプシー議長と共に同じ公聴会に出席したチャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)国防長官は、イスラム国が欧米人の人質を拘束しているラッカ(Raqa)県の拠点を攻撃する計画を立案中であると述べ、「この計画にはISIL(イスラム国の旧名)の指揮統制本部や物流拠点、インフラをはじめ、シリアにおけるISILの潜伏地を標的とする軍事行動も含まれる」と説明した。(c)AFP/Daniel DE LUCE, Jérôme CARTILLIER