ピカソの素描入り未公開書簡、仏美術館で初展示
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【9月15日 AFP】20世紀美術の巨匠パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の未公開書簡が、フランス西部カンペール(Quimper)の美術館でこのほど初公開された。友人のフランスの詩人マックス・ジャコブ(Max Jacob)に宛てたもので、素描(スケッチ)も添えられている。
ピカソがスペイン・バルセロナ(Barcelona)で活動していた1903年に記したこの書簡は、「親愛なるマックス」で始まり「あなたの兄弟、ピカソ」で締めくくられ、2人が親しい間柄だったことが分かる。カンペール美術館のアンブロワーズ・ギヨーム(Ambroise Guillaume)館長によると、ジャコブは「当時、ピカソの親友で、ピカソを真に発掘した人物」だという。
書簡にはバルセロナでの生活が詳細に書かれ、仏パリ(Paris)に戻りたいとの希望も述べられている。スペイン人のピカソはつたないフランス語で、「仕事ができるのであればこの地にとどまるが、何も成し得ないと分かれば、さっさとパリに戻る」と記している。
書簡に添えられたスケッチは、座った男性を慰めるように手を伸ばす女性、手を広げた男性とその傍らに膝をつく子どもを眺める動物たち、そして話し込む1組の男女を描いた3点で、ピカソ初期の「青の時代」を代表する作風。
書簡はジャコブの死去から70年になるのを記念して、21日までカンペール美術館で展示されている。(c)AFP