【9月21日 AFP】アフリカ・スーダンは今月、中国の資金援助により、新たな大統領府が完成したと発表した。国営スーダン通信(SUNA)が10日に伝えた。植民地時代に建設された宮殿に代わる新大統領府の建設は、「スーダンと中国の強いきずな」を裏付ける事業だとしている。

 3階建ての新大統領府が建設されたのは、首都ハルツーム(Khartoum)の青ナイル(Blue Nile)川沿いで、現大統領府のほど近く。灰色がかった茶色の石造りの重厚な外観で、中央にドームを備えている。総工費は明らかにされていない。

 現在大統領府が置かれている白亜の宮殿は19世紀初頭、オスマントルコ(Ottoman Turks)支配下のエジプトによる統治時代に建設されたものだが、そのエジプトを保護下に置いた英国の植民地支配を強く想起させる建物でもある。

 1877~79年にスーダン総督を務めた英国人のチャールズ・ゴードン(Charles Gordon)将軍は1885年、イスラム世界の救世主を名乗った「マフディ(The Mahdi)」の反乱を受けて再びハルツームに派遣された際、この宮殿内で戦死した。ゴードン将軍が殺害された場所には、飾り版が据え付けられている。

■落成式は来年1月

 SUNAによると、2010年に着工した新大統領府の落成式典は、スーダン独立記念日に当たる来年1月1日に行われる。

 大統領報道官はAFPに対し、現大統領府は規模が拡大した政府にとって手狭になっていたと説明。政府業務を新大統領府に移行した後、落成式典を旧大統領府で行うと述べた。

 中国はスーダンの主要貿易相手国で、大規模な投資を行っている。ハルツームでは既に、川沿いのコンベンション施設や道路・橋梁などが中国資本によって建設されている。(c)AFP