【9月22日 AFP】再生可能エネルギーは世界の二酸化炭素(CO2)排出量削減目標達成のカギを握る存在であり、その発展のためには安定した規制の枠組み、化石燃料に対する助成金の削減、送電網の統合促進が欠かせない――。国際再生可能エネルギー機関(International Renewable Energy AgencyIRENA)はこのたび、このような見解を示した。

 世界の再生可能エネルギーの割合についてIRENAは、2011~30年に70%拡大しなければならないと指摘。化石燃料補助金を削減・撤廃することで、再生可能エネルギー事業の資金調達コストが大幅に下がると述べた。

「再生可能エネルギー事業への投資を増やすには、安定的で予測可能な政策の枠組みが必要」であり、「公平な競争の場が求められる。現在、世界各国で大規模に実施されている化石燃料補助金の削減も、その1つだ」とIRENAは説明している。

 さらにIRENAは「発電形態の異なる再生可能エネルギーの相乗効果を活用」できるよう、電力業界が地域の送電網の統合整備を進める必要があると訴えた。

「かつてエネルギー大手が牛耳っていた分野は、分散化・多様化しつつある」とIRENAは述べ、ドイツを例に挙げた。ドイツでは、風力タービンや太陽光パネルといった再生可能エネルギー資産のうち、エネルギー大手の管理下にあるのはわずか12%だという。

 だが、IRENAによると、こうした環境整備には、2030年まで少なくとも毎年5500億ドル(約59兆円)の投資が必要となる。これにより、総発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合を36%まで増やせば、地球温暖化を食い止められるという。

 ただし、2013年の再生可能エネルギーへの投資額は2140億ドル(約23兆円)だった。民間の投資に期待するだけでなく、各国政府も新興国を中心に果たすべき役割があると、IRENAの報告書は指摘している。(c)AFP