【9月13日 AFP】女性が教育を受ける権利を訴えていたパキスタンの少女、マララ・ユスフザイ(Malala Yousafzai)さん(17)を2年前に銃撃した犯人が逮捕された。パキスタン軍が12日、明らかにした。

 マララさんは2012年10月、スクールバスに乗り込んできたイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)」の戦闘員に頭部を撃たれ、友人2人も負傷した。一命を取り留めたマララさんは英国で治療を受け、現在も家族と共に英国で暮らしている。全ての子どもが学校へ行く権利を持つことを訴え続けるマララさんの勇気と決意に、国際的な賞賛が広がっている。

 パキスタン軍のアシム・バジワ(Asim Bajwa)少将は記者会見で「マララ・ユスフザイさん襲撃に関与したグループが逮捕された」と述べた。 TTPは襲撃後すぐに犯行声明を出していたが、逮捕者の発表は今回が初めてだ。

 容疑者10人の拘束には軍、警察、情報機関が関与した。今回の逮捕はTTPその他の過激派に対してパキスタン軍が展開中の攻撃作戦の一環。

 バジワ少将は、銃撃グループはマララさんに加え、22人の襲撃予定者リストを持っており、いずれもTTPの現指導者マウラナ・ファズルラ(Maulana Fazlullah)師が命じたものだと明らかにした。

 同グループのメンバー全員が、マララさんが銃撃されたパキスタン北西部スワト渓谷(Swat Valley)の中心都市ミンゴラ(Mingora)付近のマラカンド(Malakand)出身。襲撃グループのリーダーは家具店を経営していた。

 一方、TTPから分かれた過激派「ジャマトゥル・アハラール(Jamat-ul-Ahrar)」のエフサヌッラー・エーサン(Ehsanullah Ehsan)報道官は、「あの襲撃には3人が関与し、うち1人は殉死し、2人は生きている」との声明を出し、軍の発表を否定した。同報道官は、攻撃がファズルラ師の命令によるものだったことも否定し、地元の戦闘員が計画したものだと述べた。ジャマトゥル・アハラールはファズルラ師をTTPの指導者と認めていない。(c)AFP/Gohar ABBAS