【9月13日 AFP】第69回ブエルタ・ア・エスパーニャ(69th Vuelta a Espana)は12日、第19ステージ(サルバテーラ・デ・ミーニョからカンガス・ド・モラソ、180.5キロメートル)が行われ、ロット・ベリソル・チーム(Lotto Belisol Team)のアダム・ハンセン(Adam Hansen、オーストラリア)がステージ優勝を果たした。

 33歳のハンセンは残り4キロメートルとなったところで仕掛け、追いすがるジャイアント・シマノ(Giant-Shimano)のヨーン・デーゲンコルプ(John Degenkolb、ドイツ)、ランプレ・メリダ(Lampre-Merida)のフィリッポ・ポッツァート(Filippo Pozzato、イタリア)を5秒差で振り切った。

 チーム・サクソ・ティンコフ(Team Saxo-Tinkoff)のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)は、総合2位につける2013ツール・ド・フランス(2013 Tour de France)覇者であるスカイ(Sky Pro Cycling)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)と1分19秒差で総合首位を守った。コンタドールとフルームの二人は集団の中で支障なくゴールを迎えた。

 レースは、オメガファルマ・クイックステップ(Omega Pharma-Quick Step)のワウト・プルス(Wout Poels、オランダ)、ロット・ベリソル・チームのピム・リヒハルト(Pim Ligthart、オランダ)、FDJ・ポワン・エフエール(FDJ.fr)のローラン・マンジェル(Laurent Mangel、フランス)の3人が集団を抜け出して動きだしたが、3選手は140キロメートル地点までリードしたものの、後続集団を3分30秒以上離すことはできなかった。

 前日のステージでボーナスタイムを含め20秒を縮めたフルームのように、アタックを仕掛ける選手を出さないためペースを上げたコンタドールの所属するチーム・サクソ・ティンコフに率いられた集団は、リードする3人を残り20キロメートルとなったところで吸収した。

 集団がステージ最後の難所である4.7キロメートルに及ぶ2級山岳の上り坂に差しかかると、上りを得意とするアスタナ(Astana Pro Team)のアレクセイ・ルシェンコ(Alexey Lutsenko、カザフスタン)がアタックを仕掛け、有力選手は互いの動きを注意深く見ながらの展開となった。

 そこで、フルームの所属するスカイの選手たちは集団が崩れないようコントロールしながらペースを上げた。

 ルシェンコは集団を10秒以上引き離すことができず、アルト・モンテ・ファロ(Alto Monte Faro)の頂上に達してしまった。レースは15キロメートル以上を残しており、ルシェンコがリードを保てる可能性はわずかとなったかに思われた。

 しかし、ゴールに向けて高速の下りに差しかかったにもかかわらずルシェンコは残り10キロメートル地点ではリードを14秒に広げたものの、追撃の一番手はジャイアント・シマノのスプリントを牽引するデーゲンコルプになっていた。

 ルシェンコは粘りを見せたが、残り5キロメートルとなったところで追いつかれた。

 次に運を試す順番が回ってきたのはハンセンだった。そして、ハンセンは昨年の第96回ジロ・デ・イタリア(2013 Giro d'Italia)以来となるグランツール(三大ツール)でのステージ優勝を遂げた。(c)AFP