【9月12日 AFP】米連邦地裁は11日、ロシア連邦検事総長事務所との高額契約を取り付けるためロシア政府高官に賄賂を渡したとして、米パソコン大手ヒューレット・パッカード(Hewlett-PackardHP)に5880万ドル(約63億円)の罰金を命じた。

 米司法省の声明によると、HPは海外腐敗行為防止法(Foreign Corrupt Practices ActFCPA)の贈賄禁止条項に違反したとの罪状を認め、司法取引に合意。これを受けて、米カリフォルニア州北部地区連邦地裁のローウェル・ジェンセン(Lowell Jensen)判事が罰金を言い渡したという。

 合意された司法取引によれば、HPロシア子会社は多額の裏金を作り、露検事総長事務所との4500万ドル(約48億円)相当の契約締結で便宜を図ってもらう見返りとして、ロシア政府高官に賄賂を贈っていた。裏金は二重帳簿で管理し、複数の仲介者やダミー会社を通じて総額200万ドル(約2億円)を超える金を露高官に渡していたという。

 HPはロシアの他、ポーランド、メキシコでも公的機関での契約獲得のため贈賄を渡したとして捜査対象となっており、今年4月に計1億800万ドル(約116億円)を支払う和解案に合意していた。今回の司法取引はその一部。米証券取引委員会(US Securities and Exchange CommissionSEC)によると和解の範囲にはFCPAに基づく刑法・民法上の罪状が含まれている。(c)AFP