【9月11日 AFP】オーストリア当局者は10日、シリアに渡航してイスラム教スンニ派(Sunni)の過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」に参加しようとした同国の14歳と15歳の少女2人の出国を差し止めたことを明らかにした。

 欧州各国は、シリアとイラクでイスラム国に参加しようとして渡航する人々の阻止に努めている。だが渡航しようとする全員が男性というわけではない。

 少女2人はオーストリア南部のグラーツ(Graz)で警察に補導されたという。内務省のアレクサンダー・マラコビッツ(Alexander Marakovits)報道官はAFPの取材に「(少女たちは)スーツケースをいっぱいに詰め、シリアへ渡航しようとしていた」と語った。

 同国紙クローネン・ツァイトゥング(Kronen Zeitung)によると、2人の少女はインターネットで知り合った。少女の1人は「ISを支援したい。場所はどこでもかまわない」と述べていたという。少女のうち1人はイスラム教徒の家庭で、もう1人は最近イスラム教に改宗していた。

「少女2人は違法な行為はしておらず、被害者として扱われている。感受性の強い年頃に、間違った友人との付き合いに陥ってしまったのかもしれない」と、マラコビッツ報道官は語った。

「少女たちが影響を受けた経緯を調べている。インターネット経由だったのか、オーストリア国内あるいは国外にいる人物からだったのか」(マラコビッツ内務省報道官)

 少女たちはトルコに渡航してから国境を越えてシリア入りする計画だったとみられている。報道によれば今年5月、別のボスニア系のオーストリア人少女2人が「イスラムのために戦う」としてシリアに出国していた。

 マラコビッツ報道官によれば、女性12人を含む142人のオーストリア人が現在、シリアに滞在中とみられている。また8月中旬以降、イスラム過激派に参加しようとした疑いで、オーストリア国内で10人が逮捕された。(c)AFP