【9月11日 AFP】留学生にとって大学に通うのに最も費用のかかる国はオーストラリアであることが、英銀行大手HSBCによる15か国を対象とした調査で分かった。

 10日に発表された報告書「教育の価値(Value of Education)」によると、学費と生活費を合わせた費用が最も掛かるのはオーストラリアで、シンガポール、米国と続いた。調査が行われた国の中で最も費用が掛からなかった国はインドだった。

 オーストラリアへの留学生は学費と生活費を合わせて年間4万2000ドル(約450万円)が必要だった。シンガポールは豪州より約3000ドル(約32万円)低かった。またインドは豪州より3万6000ドル(約380万円)低かった。

 米国への留学は費用こそ高いものの、最高水準の教育を提供しているとみなされていた。提供される教育水準の高さでは英国とドイツが続き、オーストラリアは第4位だったという。

 調査した国は留学するための費用が高い順にオーストラリア、シンガポール、米国、英国、香港、カナダ、フランス、マレーシア、インドネシア、ブラジル、台湾、トルコ、中国、メキシコ、インドだった。

■進学・留学への貯蓄に積極的な親

 HSBCの資産管理部門の責任者、サイモン・ウィリアムス(Simon Williams)氏によると、子どもを留学させる主要な理由は外国語の習得と国際経験、独立心のかん養だった。

「だが留学は、特に資金計画の面で別の複雑さが生じる」と同氏は述べ、米国では進学資金の積立制度が確立されているが、米国以外では依然としてそのような制度が確立されていないことを指摘した。

 また、5000人近くの親を調査した今回の報告書によると、親の89%が子どもの大学進学を望んでおり、74%が海外留学を選択肢に含めていた。最も海外留学に積極的だったのはインドネシアの89%で、マレーシア、トルコ、香港と続いた。

 親の半数以上は、子どもの教育に出費することを最善の投資と考えていた。また、マレーシアと中国を筆頭に、親の多くが進学資金の貯蓄をもっと早くから始めておくべきだったと考えていた。

 自国の教育制度に最も好意的だったのはシンガポールの親で、シンガポールの4分の3の親が、海外よりも自国の教育水準の方が高いと考えていた。一方、ブラジルとフランスでは、海外よりも自国の教育水準の方が高いと考えている親はそれぞれわずか6%と9%だった。(c)AFP