【9月12日 AFP】男子テニス、国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup 2014)でスイス代表のロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は、ジュネーブ(Geneva)で行われるイタリアとの決勝進出を懸けた戦いに、チームの原動力として臨む。

 決勝進出を決めれば、フェデラーはいまだに獲得できていない数少ないタイトルの一つを射程圏内にとらえることになる。四大大会(グランドスラム)17勝を誇るフェデラーは、その輝かしいキャリアで数々の主要タイトルを総なめにしてきたが、これまで五輪のシングルス金メダルとデビス杯優勝は成し遂げていない。

 フェデラーは、良き友人であり全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2014)王者のスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)と共に、格下のイタリアを相手に初のデビス杯優勝を飾る絶好のチャンスを迎えている。

 イタリアに勝利すれば、スイスは11月21日から23日に行われる決勝で、フランスと前年大会(Davis Cup 2013)王者チェコの準決勝対決の勝者と対戦することになる。

 フェデラーは、全米オープン(The US Open Tennis Championships 2014)準決勝でマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)に敗れた直後、今回の目標は明確だと語った。

「僕たちが本命なのは明らかであり、その手応えがあるのは常にいい気分だ。1万8000人のファンがスイスを応援してくれることは、すごく特別なことだ」

「スイスでは記録的な観客数になるだろう。相手がどこであろうと、みんな興奮しながらスタン(ワウリンカ)や僕の試合を見にくると思う」

「相手が隣国ならば、なおさら特別なものになるだろう。イタリアの選手とは過去にも忘れられない試合を経験している。僕が選手として最初に対戦したのは、1999年のダビデ・サンギネッティ(Davide Sanguinetti、イタリア)だった」

 今回のイタリアは、世界ランク17位のファビオ・フォニーニ(Fabio Fognini)、同48位のアンドレアス・セッピ(Andreas Seppi)を擁しているが、同3位のフェデラーと同4位のワウリンカにとっては、どちらも手強い相手ではないとみられる。

 しかし、カザフスタンとの準々決勝で一時は対戦成績を1-2とされ苦戦の末に準決勝に進出した記憶も新しい。

 カザフスタンとの初戦では4セットの末にアンドレイ・ゴルベフ(Andrey Golubev)にまさかの敗戦を喫したワウリンカは「僕らはパニックに陥ることはなかったし、そのことは心の片隅に置いておくつもりだ」

 問題はないとつけ加えたワウリンカとフェデラーは、米ニューヨーク(New York)で行われた全米オープンでの敗戦から気持ちを切り替え、デビス杯に全集中力を傾けている。(c)AFP/Allan KELLY