オゾン層、今世紀半ばに回復の見通し 国連報告書
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【9月11日 AFP】国連(UN)は10日、環境にとって数少ない良い知らせとして、損傷した地球のオゾン層は、今世紀半ばまでの回復へ「順調に進んでいる」と発表した。ただし、南極上空のオゾン層については、回復にさらに時間がかかると思われるという。
有害な紫外線を防ぐ地球を守る重要な「盾」であるオゾン層に関して、国連環境計画(UN Environment Programme、UNEP)と世界気象機関(World Meteorological Organisation、WMO)が4年ぶりに発表した報告書によると、オゾン層の保護を目的として1987年に採択された「モントリオール議定書(Montreal Protocol)」は大きな成功を収めている一方、別の領域「地球温暖化」の問題を間接的に大きくしているという。
画期的な同議定書が採択されなければ、皮膚がんの患者数が2030年までに今より毎年200万人増加し、オゾン層を破壊する化合物の濃度が2050年までに10倍高くなったかもしれないと今回の報告書は指摘している。
また、紫外線によって人間の視力が損なわれたり動植物が損傷したりする事態も、同議定書が採択されたおかげで回避できたと報告書は述べている。
UNEPとWMOは「地球を保護するオゾン層は、今後数十年以内の回復へ順調に進んでいる」としている。
1980年の水準までの回復は「中緯度地域と北極地域では、今世紀半ばまでに達成される見込みで、南極のオゾンホールについては、もう少し後になる見込み」と両機関の報告書は述べ、2010年の予測を支持する見方を示している。
UNEPのアヒム・シュタイナー(Achim Steiner)事務局長は、オゾン層を破壊する化学物質を廃棄するための期限を定めた同議定書を、歴史上で「最も成功を収めた環境条約の一つ」と評した。