【9月10日 AFP】韓国・仁川(Incheon)で開催される第17回アジア競技大会(17th Asian GamesAsiad)の組織委員会は、チケットの売れ行きが伸び悩み、大量の空席を覚悟する事態になったとしても、かつてないまでに「質素」で地味な今大会が仁川を有名にしてくれるはずだと自信を持っている。

 開幕まで10日を切った仁川大会だが、これまで売れているチケットは全体のわずか10パーセントとなっている。アジア競技大会では、よく知られたスポーツの他にも、セパタクローやカバディのようなマイナースポーツも実施される。

 今大会では、北朝鮮が350人の応援団派遣を見送ることを発表したばかりだが、これを受けても、人々の関心はあまり高まっていないようだ。

 仁川の大会組織委員会は、五輪のようなけばけばしい大会ではなく、他国がお手本にできるような、低予算で斬新な大会作りを目指している。

 わずか20億ドル(約2130億円)という低予算で計画された仁川大会は、2010年に広州(Guangzhou)で開催された前回大会の約10分の1の費用と算出されており、北京五輪の400億ドル(約4兆2500万円)、ソチ冬季五輪の500億ドル(約5兆3000万円)とは比べものにならない。

 金栄秀(Kim Yong-Soo、キム・ヨンス)組織委員長は、「これまでよりも経済的で効率的なアジア競技大会になるだろう。仁川でのアジア競技大会が、今後の開催国のロールモデルになればいいと思う」とし、「質素な準備ができたことを誇りに思う」と話した。

 金委員長は、仁川が国の威信を高めるための豪華なイベントという従来のやり方から脱却したとしている。

 19日に行われる開会式も、K-POPを中心とした小規模なものになるという。

 演出担当者は、「2010年の広州大会や、2012年のロンドン五輪、2014年のソチ冬季五輪のような、国力を見せつけるような大会とは異なるものになる」と話している。(c)AFP/Lim Chang-Won