【9月9日 AFP】在中国の欧州連合商工会議所(EU Chamber of Commerce)は9日、中国共産党が約束した改革を至急実行しなければ、世界第2の経済大国の成長は停滞するだろうと警告した。

 EU商工会議所は中国における欧州ビジネスの年次政策方針書の中で、同国におけるビジネスの「黄金期」は終わりに近づいているとし、「中国は同国経済のバランスを取り戻すための体制をつくり出す絶好の機会の終わりに近づいている」と述べた。さらに現在の中国指導部が必要な緊迫感を維持し、確固とした姿勢で改革に臨まなければ、中国経済はミドルインカム・トラップ(中所得国の罠)に陥るリスクがあると警告した。

 中国共産党は昨年11月の中央委員会第3回全体会議(三中全会)の終わりに、遠大な改革の青写真を発表し、リソース配分において市場原理に「決定的役割」を果たさせることや、民間資本のための機能拡大、さらなる財政・金融改革などを掲げた。しかし一方で、国有企業(SOE)の主な役割は「社会主義経済の基盤」だと述べ、競争の公正性について疑念を生じさせていた。

 1800社・団体が加盟するEU商工会議所は、中国政府が市場原理の「決定的役割」にどのように取り組もうとしているのか、また国有企業と対等な扱いを外国企業が受けることができているのか、懐疑的な見方を示した。(c)AFP/Kelly OLSEN