【9月9日 AFP】タンザニアで発見された恐竜の化石が、大昔に絶滅した新種の草食恐竜のものであることを特定したとする研究論文が8日、科学誌「Journal of Vertebrate Paleontology(古脊椎動物学ジャーナル)」に掲載された。

「Rukwatitan bisepultus」と命名された恐竜の化石は、タンザニア南西部ルクワリフト盆地(Rukwa Rift Basin)のがけの中から見つかった。

 Rukwatitan bisepultusは、ゾウ数頭分に相当する体重と約2メートルの前脚を持っていたとみられるが、先週アルゼンチンでその存在が明らかになったばかりの類似の草食恐竜「ドレッドノータス(Dreadnoughtus)」ほどは大きくない。ドレッドノータスは、体重約60トンと推定されている。

 ドレッドノータスの化石は、「ティタノサウルス(Titanosaur)」と呼ばれる超大型草食恐竜の部類では、これまでのところ最も完全に近い形で発見されている。

 それでも研究者らは、約1億年前に生存していたというRukwatitan bisepultusについて、その発見場所がアフリカであったことも含め、多くの興味深い点があるとしている。

 類似の恐竜の化石は、これまで主に南米で発見されており、その数は30体以上。アフリカでの発掘はわずか4体しかない。

 米オハイオ大学(Ohio University)博士課程のエリック・ゴルサック(Eric Gorscak)氏(生物学)は、「ティタノサウルスの進化の歴史についてわれわれが知っていることの多くは、白亜紀の前半にアフリカから分離した南米大陸から見つかった化石の研究によるものだ。今回のRukwatitanの発見と、隣国マラウイに残る資料から、これまで空白となっていた領域が少しずつ埋まり始めている」としている。(c)AFP