【9月9日 AFP】イラク議会は8日、ハイダル・アバディ(Haider al-Abadi)首相が率いる新内閣を承認した。ただ、重要な安全保障ポストは空席のままとなっている。

 審議はサリム・ジュブリ(Salim al-Juburi)議長が議場の秩序維持に奮闘する中で始まった。多くの議員が欠席したが、最終的に全328議員のうち289人が出席した。

 議会で行われた個別投票の結果、副首相3人と閣僚21人が承認された。しかし、重要ポストである内相や国防相、および他の複数のポストが空席のままとなっている。

 石油相にシーア派のアディル・アブドルマハディ(Adel Abdel Mahdi)元副大統領、外相にイブラヒム・ジャファリ(Ibrahim al-Jaafari)元首相、財務相に ロジュ・ヌーリ・シャウェス(Roz Nuri Shaways)元副首相がそれぞれ任命された。

 議会はイラクの新しい副大統領として、ライバル関係にあるヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)前首相、アヤド・アラウィ(Iyad Allawi)元暫定政府首相、ウサマ・ナジャフィ(Osama al-Nujaifi)前連邦議会議長の3人を承認した。

 これまでのイラク政権は、イラクの人口の大多数を占めるイスラム教シーア派(Shiite)が多数を占め、女性閣僚は1人だけだった。

 イラク北部に3州からなる自治区を持ち、領土と資源の分配をめぐって中央政府と対立しているクルド人の政権参加は、土壇場になって決まった。

 クルド人議員らは、クルド人自治区のスレイマニヤ(Sulaimaniyah)で政権参加の是非を協議していたクルド人指導者らの結論を議事開始までに伝えられていなかったもようで、カフェテリアで待機していた。その後議場に入ったクルド人議員団のアラ・タラバニ(Ala Talabani)議員は、クルド人は3か月間、試験的に政権に参加すると発表した。(c)AFP/Ammar Karim