【9月9日 AFP】西アフリカで猛威を振るっているエボラ出血熱について、世界保健機関(World Health OrganizationWHO)は8日、リベリアでの感染者が向こう3週間で数千人増える見込みだと発表した。

 現在エボラ熱が流行している国の中で最悪の被害が出ているリベリアでは、各国の合計死者数の約半数に当たる1100人近くが死亡している。

 WHOは同国での新規感染者数が「急激に増加」していると警告すると同時に、同国を支援する各国に対し「現在の努力を3~4倍に拡大するための準備が必要」と訴えている。

 人口約440万人の貧困国リベリアでは医療インフラが十分でなく、エボラ熱の流行前には人口10万人当たり1人の医師しかいなかった。WHOによると、同国ではこれまでに152人の医療従事者がエボラ熱に感染し、うち79人が死亡した。医療従事者の死亡率は急上昇しており、医療機関の対応能力を低下させる原因となっているという。

 WHOはさらに、エボラ熱にかかった恐れのある人が出た家庭では患者を含む一家全員がタクシーに乗り、入院できる医療施設を求めて首都モンロビア(Monrovia)市内の医療施設を回っていると指摘。だが、同国ではエボラ熱患者の治療のための病床が全て埋まっている状態だという。

 医療施設で受け入れを拒否された人々は地元に戻るほかなく、感染拡大を招いているとWHOは指摘している。モンロビアがあるモントセラド(Montserrado)県だけでも、エボラ熱患者のための病床をさらに1000床用意する必要があるという。(c)AFP/Zoom Dosso