【9月8日 AFP】(写真追加)ギリシャ最大の古代墳墓で、入り口を支える2本のカリアテッド(女性像の柱)が発掘されたと考古学者らが明らかにした。

 柱が見つかったのは、ギリシャ北部マケドニア(Macedonia)地方のアンフィポリス(Amphipolis)近郊。アレクサンダー大王(Alexander the Great)時代の墓の入り口に番人として立っている2体の女性像は、長袖の衣を身に着けている。

 文化省の6日の声明によると、「1体の左腕ともう1体の右腕が横に上げられており、墓への侵入を拒む象徴的なポーズをとっている」という。

 墓は、アレクサンダー大王時代の紀元前356~323年にまでさかのぼるとみられ、これまでに誰にも触れられておらず、宝物も手付かずの可能性があるとの推測が高まっている。

 前回のマケドニア地方の墓の発掘調査では、金の宝飾品や彫像などが複数発見されている。

 全長500メートルのこの墓は、周囲を円形に大理石の壁で囲まれており、以前は最上部に高さ5メートルの大理石のライオン像が設置されていたとみられている。

 外側の入り口の両脇には、頭部のないスフィンクス(Sphinx)の石像2体が置かれており、当局者によると、「2番目の入り口の壁から土を取り除いたところ、すばらしい大理石のカリアテッドが姿を現した」という。

 文化省が公開した複数の写真には、肩まで伸びる巻き毛の女性像が、胸部中程まで掘り出された様子が写っている。

 この墳墓に埋葬されている人物については、アレクサンダー大王のバクトリア人の妻ロクサーヌ(Roxane)や大王の母オリンピアス(Olympias)、あるいは側近の一人など、多くの意見がある。

 ただ専門家らによると、アレクサンダー大王自身がここに埋葬されている可能性は低いという。(c)AFP