【9月8日 AFP】ニュージーランドで、有名女優や歌手らの流出ヌード写真が見られるとうたった偽のリンクをネットユーザーがクリックしたことが原因とみられる全国規模のネット障害が発生した。

 障害の原因は、流出画像を閲覧できると信じた少数のユーザーが5日夕にリンクをクリックしたことにあるとされる。これらユーザーのコンピューターはマルウエア(悪意のあるソフトウエア)に感染し、大規模なサイバー攻撃を招いたとみられている。

 同国通信大手スパーク(Spark)(旧テレコム・ニュージーランド(Telecom New Zealand))は、今回の「猛烈な」サイバー攻撃により、60万人の契約者をカバーしているシステムに過重負担がかかったと説明。リンクをクリックしたユーザーが、「海外サイトへの高いトラフィックを生み出す」マルウエアを自らの意志に反してインストールしたことを把握していると、ツイッター(Twitter)で述べている。

 コンピューター・セキュリティー企業トレンドマイクロ(Trend Micro)は攻撃が始まる直前、流出画像と関連付けたリンクや電子メールの添付ファイルを開かないよう注意を呼び掛けていた。同社によると、画像が流出したセレブの一人である米女優ジェニファー・ローレンス(Jennifer Lawrence)さんの動画とされるリンクをクリックすると、「ビデオ変換」ソフトを装ったマルウエアのダウンロードページに誘導されるという。

 ニュージーランド当局は、国外から行われた攻撃の実行犯は不明とした上で、このマルウエアが欧州に向けた「DoS攻撃」(標的のサイトに大量のデータを送信してアクセスを妨害するサイバー攻撃)を発生させていると指摘した。(c)AFP