【9月6日 AFP】英国の広告監視当局はこのほど、米衣料品メーカー「アメリカンアパレル(American Apparel)」の広告2点について、わいせつ行為を肯定するようなイメージで性差別に当たるとして使用を禁止した。

 問題の広告は、制服風のプリーツスカートをはいたモデルが前かがみになっているところをカメラが下から撮影した写真を使っており、モデルの下着が見えている。

 この広告に対しては、制服向けのスカートを宣伝する手法として不適切だと2人が抗議していたほか、ソーシャルメディア上でも批判を浴びていた。

 英国広告基準局(Advertising Standards AuthorityASA)は、「不必要に女性を物と見なした画像で、性差別的であり、深刻な性犯罪を広く助長する恐れがある」と指摘。「スカートの中をのぞき込む盗撮を思わせるショット」で、「強制わいせつ」を肯定しかねないと非難した。

「掲載された状況からして、この広告を見た人は、モデルが女子生徒をイメージしていると考えるだろう」「女子生徒を不適切に性的な対象とみなす広告で、性差別に該当し、無責任だ」とASAは述べている。

 アメリカンアパレル側は、写真のモデルは30歳であり、問題の広告にポルノ的な表現はないと弁明。広告が掲載されたのは同社ウェブサイトと写真共有サービス「インスタグラム(Instagram)」の同社公式ページに一時的に掲載されただけだと主張している。

 同社はまた、問題の広告は子供たちが夏休みを終えて学校に戻る「バック・トゥー・スクール」キャンペーンの一環ではないとも主張しているが、この点はASAの見解と対立している。ASAは、問題の広告が「スクール・デイズ」と題されたコレクションの写真の中に使われていたと指摘している。

 きわどい広告で知られるアメリカンアパレルは6月、セクシュアルハラスメント疑惑などが浮上した創業者のダブ・チャーニー(Dov Charney)氏を最高経営責任者 (CEO) の職から解任している。(c)AFP