【9月5日 AFP】米ミズーリ(Missouri)州セントルイス(St. Louis)郊外のファーガソン(Ferguson)で武器を携行していなかった黒人青年が警官に射殺された事件で、米司法省は4日、公民権侵害の側面からファーガソン市警に対する捜査を開始したと発表した。

 この事件をめぐっては、マイケル・ブラウン(Michael Brown)さん(当時18)を射殺した警察官ダレン・ウィルソン(Darren Wilson)氏(28)がブラウンさんの公民権を侵害していなかったかどうか、既に連邦捜査局(FBI)が捜査を行っている。

 しかし、エリック・ホルダー(Eric Holder)司法長官は記者会見で、「ファーガソン市警の警官たちに、合衆国憲法や連邦法に違反する行動様式や慣行がなかったかどうか」を捜査するだけの理由があると判断したと説明した。

 8月9日に起きたブラウンさん射殺事件では、ファーガソンで起きた抗議デモが暴動に発展。米国の人種問題と警察が少数派住民に対して用いる手法をめぐり、激しい国民的議論が交わされている。

 ホルダー司法長官によれば、米司法省では過去5年の間に全米20か所の警察署を対象に今回と同様の公民権侵害を問う捜査を行っており、うち14件で慣行改革の合意に至ったという。(c)AFP