英国の伝統食批判した米大使に大ブーイング
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【9月5日 AFP】米国のマシュー・バーズン(Matthew Barzun)駐英大使が雑誌のインタビューで英国の伝統食を批判し、英国世論を憤らせている。
英ファッション誌タトラー(Tatler)の取材を受け、自分で理想のディナーパーティーを開くとしたらどんな料理を出すかと聞かれたバーズン大使の答えは、少々外交的配慮に欠けていた。
「(出したい料理ではなく)私が出さない料理を答えましょう。ラム・アンド・ポテト(子羊のローストのジャガイモ添え)です。ここへ来てからラム・アンド・ポテトを180回は食べねばなりませんでした。限界というものがあり、私はもうその限界に達してしまったので」
この発言にコメンテーターたちは素早く反応し、英紙ガーディアン(Guardian)の芸能コラムニスト、スチュアート・ヘリテージ(Stuart Heritage)氏は「不興を買ってバーズン氏が辞任するとすれば──そうせざるを得ないだろうが──怒り狂った群衆が空港までの道を埋め着くし、ブーイングの嵐とジャガイモを車のフロントガラスに投げ付け、脅しの言葉を叫ぶだろう」と書いた。
英紙テレグラフ(Telegraph)で料理コラムを執筆するウィリアム・シットウェル(William Sitwell)氏は、英国のラム肉は「地球上で最高のラム」だと弁護し、米国の料理を酷評して「反撃」した。「シェフ、レストランから生産農家や小売店に至るまで──全て英国の愛国者だ──全員が、わが国の最も高貴な食材を、この男がいかにしてこうまで冒涜(ぼうとく)し得るのか、口汚くののしり返す前に息をのまざるを得なかった。その男がどこから来たかといえば、油ぎったフライドチキンとチーズグリッツ(トウモロコシ粉を粥状した上にチーズを混ぜたもの)、バーグー(肉や野菜が何でも入る濃いシチュー)、砂糖と脂肪がかかっただけのスプーンブレッドの国だ」
バーズン氏の発言のタイミングも悪かった。この後、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領と共に北大西洋条約機構(NATO)首脳会議のために向かったニューポート(Newport)は、ラムの名産地として知られる英ウェールズ(Wales)の街だった。(c)AFP