【9月4日 AFP】航空機の操縦士や客室乗務員は、有害な紫外線に上空で定期的にさらされているため皮膚がんになる可能性が2倍になるとの研究論文が3日、米国医師会(American Medical AssociationAMA)の雑誌「JAMA皮膚科学(JAMA Dermatology)」に掲載された。

 計26万6000人以上のデータが含まれる19件の研究を分析した結果、皮膚がんの一種であるメラノーマ(黒色腫)の発症率は、操縦士で2.21から2.22倍、客室乗務員で2.09倍と、一般における発症率に比べて2倍以上だった。

 論文の著者によると、発症率の高さの原因は、高度を飛行する機体の操縦室のフロントガラスや客室の窓から入り込む紫外線だという。

 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California, San Francisco)のマルティナ・サンロレンゾ(Martina Sanlorenzo)博士は、この研究について、「こうした人々の労働衛生と保健にとって重要な意味を持つ」としている。

 研究チームによると、多くの民間航空機の巡航高度である高度9000メートルでは、がんを誘発する紫外線の強さは2倍になるという。(c)AFP