【9月3日 AFP】カザフスタン西部マンギスタウ(Mangistau)州で、輸送中のセシウム137が紛失し、同国の関係当局は警戒を強化している。

 同国西部マンギスタウ州警察の広報担当者が2日に明らかにしたところによると、危険なセシウム137を入れた輸送容器が走行中の車両から落下したとみられている。セシウム137は医療用の放射線源として使われ、核爆発や原子炉内の核反応による副産物としても生成される。

 警察の広報担当者はAFPに対し、「放射性同位体であるセシウム137の紛失を当局が把握したのは先月27日。輸送容器は現時点でまだ発見されていない」と述べた。治安当局や緊急対応当局の関係者、軍は現在も、重量50~60キロの容器の捜索を続けている。当局はこの物質がどこから来たものか明らかにしていない。

 半減期が約30年のセシウム137に暴露されると重度のやけどを負い、死に至ることもある。当局は地元住民らに対し、容器を発見しても開けないよう警告している。同国はソ連崩壊時、核弾頭や核兵器の実験場を引き継いだ 。(c)AFP