【9月2日 AFP】長崎大学(Nagasaki University)の研究チームが、エボラ出血熱のウイルスを30分で検出する新たな手法を開発した。チームを率いる安田二朗(Jiro Yasuda)教授が2日、AFPの電話取材に対し語った。

 安田教授によると、「新しい診断技術は現在のものよりもずっとシンプルで、現在使用されている専用の検査装置が無い国でも使える。まだ問い合わせや依頼などは受けていないが、すぐにでも実用できる状況であり、いつでも提供できる」という。

 研究チームは、血液や体液の中で発見されるエボラウイルスが持つ特定の遺伝子を増幅する「プライマー」を開発した。

 血液中のウイルスからRNA(リボ核酸)を抽出し、そこからDNAを合成した上で「プライマー」と混合し60~65度に熱するという方法。エボラウイルスが存在すれば、エボラウイルスに特有のDNAがプライマーの作用により増幅され液体が濁るため、目視で確認することが可能という。

 現状、エボラウイルスの診断にはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が用いられることが多い。これは熱する作業と冷却する作業を繰り返し行う必要があり、判定までに最大で2時間かかる。

 だが安田教授によると「新しい方法ではバッテリーで動く小型の保温器があればすむ。費用も全体で数万円程度。途上国でも十分まかなえるコストだ」だという。(c)AFP