【8月30日 AFP】イスラエルと無期限の停戦で合意したパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)で29日、数千人の戦闘員らが地区内をパレードし、恒久的な停戦に向けた最終合意の見通しが不透明な中、「再武装」を加速化させることを明言した。

 双方が26日に停戦に合意して以降、静けさを取り戻したガザ地区では市民が生活の再建に向けて動き始めている。今回の戦闘は50日近くに及び、死者数はここ数年で最多となった。イスラエルと、ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)は、いずれも自らの勝利を主張している。

 恒久和平の実現の見通しは流動的だ。ハマス政治部門の最高指導者ハレド・メシャール(Khaled Meshaal)氏は、イスラエルが要求するハマスの武装解除を拒否。イスラエル側もハマスの要求について譲歩する構えは見せていない。 

 ガザ市内をパレードした多数のイスラム原理主義組織「イスラム聖戦(Islamic Jihad)」の戦闘員らは、今回の戦闘で使用したのものと同様のロケット弾を掲げ、小銃や軽機関銃などを手にして練り歩き、武力を誇示。イスラム聖戦の軍事部門であるアル・クッズ旅団(Al-Quds Brigades)の広報担当者は、同旅団を支援するイランや同盟関係にあるイスラム教シーア派(Shiite)原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)をたたえるとともに、再武装に向けた活動を強化すると強調した。

 アブ・ハムザ(Abu Hamza)の名で知られるこの広報担当者は、「われわれは今回の戦闘中でも、兵器の製造を継続していた。自由のための戦いとなるだろう次の段階に備え、今後も武装化を加速させていく」と述べた。

 ガザの実質的な最高指導者であるメシャール氏はカタールのドーハ(Doha)で28日、今後のイスラエルとの協議について、「抵抗のための武器は聖なるものであり、武装解除を議題にすることはない」と述べており、ハムザ氏の発言は、これに同調したものといえる。(c)AFP/Adel ZAANOUN