【8月29日 AFP】英北部スコットランド(Scotland)の独立の是非を問う住民投票を3週間後に控え、29日に発表された世論調査で、独立を支持する住民が増えていることが分かった。

 調査結果は、意見を決めかねているとの回答を除いた割合で、賛成派が47%、反対派は53%だった。3週間前の前回調査では賛成派43%、反対派57%で、両者の差が大きく縮まった。

 今回の調査は、独立賛成派と反対派の指導者たちが行った投票前最後の公開討論の反応をみるため、現地紙スコティッシュ・デイリーメール(Scottish Daily Mail)の委託で英市場調査会社サーベイション(Survation)が行ったもの。

 公開討論では、賛成派を率いるアレックス・サモンド(Alex Salmond)スコットランド行政府首相が、反対派の先頭に立つアリステア・ダーリング(Alistair Darling)前英財務相に勝利したというのが大方の見方だ。

 一方、これまで独立の是非について表立った主張をしてこなかったデービッド・キャメロン(David Cameron)英首相は28日、スコットランド・グラスゴー(Glasgow)で経営者団体「英国産業連盟(Confederation of British IndustryCBI)」の会合に出席。スコットランドとイングランドの併合は「史上最も偉大な合併」だと演説した。

 キャメロン首相は、英国は「世界で最も古く、最も成功している単一市場の1つだ」「われわれが共にとどまれば、スコットランド経済の機会は増し、スコットランドの消費者の選択肢の幅は広がり、スコットランドの雇用も安定する。なぜ、そうした大きな利点を、大きな未知に踏み入ることでリスクにさらそうというのだろう?」と述べ、英国残留のメリットを強調した。(c)AFP/Jacqueline PIETSCH