【8月27日 AFP】国連(UN)は26日、エボラ出血熱の拡大に伴う非常事態宣言によって隔離措置が取られているシエラレオネ東部について、食糧危機が発生する恐れがあると警告した。

 国連食糧農業機関(Food and Agriculture OrganisationFAO)によると、エボラ熱発生の中心地に位置する東部カイラフン(Kailahun)地域での死亡患者は、その多くが15~45歳の年齢層で、農業での急激な人手不足を引き起こしている。

 同地域での10日間に及ぶ調査の終了に伴いまとめられたFAOの報告書では、農産物市場や他の公共の集まりを政府が禁止したために、「大規模農業に従事するために多数の農民が集まることが妨げられている」と結論付けている。

 コーヒーとココアを主な輸出品とするカイラフンでは、エボラ熱による死者が出た世帯で実施された消毒処置の結果、安全な作物の種子が不足しているという。

 農業相報道官はAFPの取材に対し「エボラ熱の発生により、農民たちは5月以降に植えた農作物を収穫できなくなっている」と語った。(c)AFP