【8月26日 AFP】白人の警察官に射殺された黒人青年、マイケル・ブラウン(Michael Brown)さん(事件当時18)の葬儀が25日、米ミズーリ(Missouri)州セントルイス(St. Louis)郊外ファーガソン(Ferguson)に近い教会で行われた。

 人権活動家や宗教指導者、政治家など多くの人が教会の5000席を埋め尽くし、遺族と共にブラウンさんに別れを告げた。

 公民権活動家のアル・シャープトン(Al Sharpton)牧師は追悼の辞で、ブラウンさんの死を無駄にしてはならないと述べ「われわれ全員が今回の事件に答え、解決しなければならない。これは個人の問題ではない。正義と公正の問題だ。アメリカは間違いがあるときには、それを受け入れなければならない」と熱弁し、参列者はこれに大声を上げて賛同した。

■警察への評価、アフリカ系では圧倒的低さ

 ブラウンさんの葬儀と同じ25日に発表された世論調査では、市民が警察に抱く不信感があらわになった。

 ファーガソンで起きた9日の事件以降、米国では複数の抗議行動が起き、人種的偏見をめぐる論議が再燃した。特に警察とアフリカ系住民の関係や、警察の作戦のあり方について激しい論争が起きている。批判派は米国の警察の「軍隊化」を指摘し、ブラウンさんの事件後の2週間近くの間にファーガソンで起きた抗議行動や一部の暴動に対しても、警察の対応は手荒だと非難している。

 米調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)と米紙USAトゥデー(USA Today)が20日から24日にかけて成人1501人を対象に行った電話調査によると、不祥事が起きた場合に警察は警官に責任を負わせているかとの問いに対し、「非常によくやっている」と「よくやっている」と答えた人は合わせて30%だったのに対し、65%の回答者が「普通」か「できていない」と答えた。

 人種が異なる集団を平等に扱っているか、武力行使の加減は適切かといった設問でも同様の回答傾向だった。ピュー・リサーチ・センターによれば、09年の調査時と数字はほとんど変わっていないという。また米国全体で、市民を犯罪から保護するという仕事を警察はよくできているかという質問では、回答は半々に割れた。

 しかし回答をアフリカ系と白人に分けて見ると大きな違いがあり、人種が異なる集団に対する扱いの平等性と武力行使の加減に関する質問では、アフリカ系は10人に9人以上が、警察の対応は「普通」か「適切でない」と答えていた。(c)AFP