【8月26日 AFP】ギネス世界記録(Guinness World Records)で一時、世界一背の高い男性に認定されながら、静かな暮らしを守るためにその認定を返上したウクライナ人のレオニード・スタドニク(Leonid Stadnyk)さんが24日、成長が止まらない症状に伴う合併症のため亡くなった。25日の現地メディアによると、死因は脳出血で、44歳だった。

 ウクライナで最も背の高い男性だったスタドニクさんは生涯、成長ホルモンを分泌し続ける腺腫により身長が260センチ近くに達していた。

 07年にギネス世界記録によって、世界一背の高い男性に認定されたことがあったが、ギネスによる身長計測を拒み、世界一のタイトルは身長236センチで記録されていた中国の鮑喜順(Bao Xishun)さんに返された。

 スタドニクさんは自分の身長について、良いことよりも害をもたらすことの方が多いと述べて人前に出ることを嫌い、ウクライナのジトームィル(Zhytomyr)州北部の村ポドリャンツィ(Podolyantsi)にある母親宅で静かな暮らしを送っていた。戸口を通る際には常に身をかがめなけらばならなかった。ギネスによる公式の身長計測は、平和な暮らしを望み自分から断ったと述べたことがあった。

 元々は獣医師だったが、健康状態が悪化し歩行も困難になったため退職を余儀なくされ、母の家で園芸や家畜の世話をしていた。

 背の高さに悩むスタドニクさんを支援する人々もいた。特別に設計されたマウスとキーボード付きのコンピューターを贈られたことや、08年にはビクトル・ユーシェンコ(Viktor Yushchenko)元大統領に特製の自動車を贈られたこともあった。(c)AFP