【8月26日 AFP】タイで日本人男性が多数の乳幼児を代理出産させていたとみられる問題で、タイ警察は25日、男性の依頼を受けた代理母11人のうち5人に事情聴取したところ、1人当たり30万~40万バーツ(約98万~130万円)の報酬を受け取っていたことが分かったと発表した。

 警察関係者はAFPの取材に、男性に関する詳細情報を得るため日本の警察と連絡を取っていると語った。男性は代理母たちから「ジャック」と呼ばれていたという。

 この問題では今月初め、バンコク(Bangkok)市内のマンションで乳幼児9人が見つかり、当局は人身売買の疑いがあるとして捜査を開始。日本メディアは、父親とされる男性はIT系企業の創業者の御曹司と報じている。男性は既にタイを出国しているが、先週に自主的に応じたDNA鑑定の結果、タイ国内で代理出産により生まれた少なくとも15人の子どもの生物学的父親であることが分かった。男性がタイ女性らに代理出産させた理由は不明。

 タイでは、今月初めにオーストラリアの夫婦が代理出産でもうけたダウン症児の引き取りを拒否したとの疑惑が浮上したことにより、それまで闇に包まれていた代理出産ビジネスが明るみに出た。

 タイでは報酬目的の代理出産が医療評議会(Medical Council)によって公式に禁じられており、疑惑が発覚して以降、代理出産の抜け穴をふさぐための法整備を待つ間の措置として、体外受精を行う診療所のうちの幾つかが当局によって閉鎖されている。法案では、報酬目的の代理出産に関与した場合、10年の禁錮刑を科すことが定められている。(c)AFP