【8月26日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)が、エジプト国内にある基地を利用して、リビアのイスラム武装勢力に対する極秘の空爆を過去1週間で2回実施していたことが分かった。複数の米政府高官が25日、明らかにした。

 UAEによるリビア空爆は、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が最初に報じ、リビアのイスラム武装勢力側も攻撃があったと主張していた。AFPの取材に匿名で応じた米高官は、「UAEがこれらの攻撃を実施した」と語り、同紙の報道についても事実と確認。同高官ともう一人の高官によると、米国はこの空爆に参加せず、支援も一切提供しなかったという。

 同紙によると、最初の空爆は1週間前で、武装勢力に掌握された首都トリポリ(Tripoli)市内の小規模兵器庫など複数の標的を対象としていた。この空爆により6人が死亡したとされる。2回目の空爆は同市の南で23日に行われ、ロケット発射装置や軍用車両、倉庫が標的とされたという。

 これら空爆は、武装勢力によるトリポリの空港掌握を防ぐ試みだった可能性があるが、武装勢力側は最終的に空港の奪取に成功している。

 UAEによるリビア空爆が発覚したのと同じ25日、米国、ドイツ、イタリア、英国の各政府は、リビアでの戦闘激化を非難するとともに、「外部の介入」を批判する共同声明を発表した。(c)AFP