イスラエルのガザ空爆続く、エジプトは停戦を再度提案
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【8月26日 AFP】イスラエル軍は25日、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への空爆を継続し、これによりパレスチナ人10人が死亡した。一方、双方の停戦交渉を仲介しているエジプトは同日、ガザ地区の主要な検問所の開放につながる停戦を改めて提案した。
先に提案された停戦が今月19日に破綻して以降、ガザ地区内の死者数は増加の一途をたどっている。同地区に対するイスラエル軍の空爆は350回以上行われ、少なくとも113人のパレスチナ人が死亡した。
またイスラエル軍のまとめでは、同じく19日以降に650発以上のロケット弾がイスラエル領内に着弾し、先週末には4歳の男児1人が死亡。さらに約110発のロケット弾を迎撃したとしている。
また同軍は、イスラエル北部に向けてレバノンから少なくとも1発のロケット弾が発射されたが死傷者は出なかったと発表。イスラエル治安筋によると、これに対しイスラエル側からも反撃したとしている。
パレスチナの救急当局によると、25日には先に負傷していた2人も亡くなり、これで先月8日に始まったイスラエルの攻撃による死者は2134人、負傷者は1万915人となった。一方のイスラエル側では兵士を主とする68人が死亡している。
一方で新たな停戦合意の可能性を探る話し合いも活発化している。実現すれば、エジプトによる長期的な停戦の仲介提案に基づく協議を再開するため、交渉代表者らがカイロ(Cairo)に戻ることが見込まれる。
あるパレスチナ高官はカイロで、交渉の機密性を理由に匿名を条件にAFPの取材に応じ、「検問所を開放し、援助や再建物資の搬入が可能になる一時的な停戦案が提示されており、問題点については1か月以内に協議されるだろう」という見方を示し、「われわれはこれを受け入れる用意があるが、この提案に対するイスラエル側の反応を待っているところだ」と明かした。
別のパレスチナ当局者は、エジプトがパレスチナとイスラエル双方の交渉団に対し、48時間以内にカイロに戻るよう呼び掛ける可能性もあると話している。
しかしイスラエル側からは今のところコメントは出されていない。ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相の報道官は、ロケット弾攻撃を受け続ける中での交渉はあり得ないとするイスラエル側の立場に「変更はない」と述べた。(c)AFP/Sakher ABOU EL OUN