【8月25日 AFP】歌手志望のスペイン人の女が、音楽アルバムの制作費欲しさに自分の父親から身代金を取ろうと外国で自作自演の誘拐劇を演じ、逮捕された。

 22日の警察発表によると、22歳のスペイン人の女は数か月前にインターネットのチャットで知り合った男性に会うために今月14日、家族に告げずに中米ドミニカ共和国の首都サントドミンゴ(Santo Domingo)へ渡った。

 翌日、スペインのカタルーニャ(Catalonia)州北東部アノイア(Anoia)に住む父親は自宅で、娘が誘拐されたという内容の電話を受けた。電話では「娘が泣く声が聞こえ、南米訛りのスペイン語を話す男に、娘の命が危険にさらされていると言われた」という。3日後に誘拐犯と思われる人物から再び電話があり、6000ユーロ(約80万円)の身代金を要求された。この時も電話口の後ろで娘の泣き声が聞こえた。

 この時点で父親はスペインの警察に通報。警察はソーシャルメディアのサイト上を捜査し、娘がサントドミンゴまで行って合流した男を突き止めた。スペインの警察から連絡を受けたドミニカの警察は即座に2人を発見、問いただしたところ自作自演の誘拐劇を認めたという。

 警察に娘は「歌手志望で、自分のアルバムを制作する資金を父親から手に入れるために考え付いた策だった」と述べた。警察は21日に帰国した娘をゆすりと虚偽告訴の疑いにより、スペインの首都マドリード(Madrid)の空港で逮捕した。(c)AFP