【8月24日 AFP】リビアのイスラム武装組織連合「ファジル・リビア(Fajr Libya、リビアの夜明け)」は23日、右派民兵組織との数日間の戦闘を経て、首都トリポリ(Tripoli)の国際空港を掌握したと述べた。

 ファジル・リビアに近いとされるアナバー(An-Nabaa)テレビが「全面掌握」の声明を放送し、その後トリポリ東方ミスラタ(Misrata)などの戦闘員が参加しているファジル・リビアのスポークスマンが「空港に入って残存抵抗勢力を掃討している」と語った。

 空港がファジル・リビアの手に渡ったことが第三者によって確認されれば、2011年にムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の独裁政権が崩壊して以来空港を占拠してきたトリポリ西方ジンタン(Zintan)の右派民兵組織にとって大きな痛手となる。

 戦略的に重要とされているこの空港は、トリポリから30キロ南方にあり、ファジル・リビアとジンタンの右派民兵組織が衝突する中、7月13日から閉鎖されている。右派民兵はハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)退役将校を支持し、東部ベンガジ(Benghazi)を拠点にファジル・リビアへの敵対姿勢を取っている。

 一方のファジル・リビアは、右派民兵組織との戦闘で勝利を収めていると繰り返し主張。21日には空港を掌握していることを証明するため、空港への道の途中にある軍事基地に国内記者団を招いた。

 こうした中、イスラム勢力が圧倒的多数を占める暫定議会「国民議会(General National CongressGNC)」のスポークスマン、オマル・アフミダン(Omar Ahmidan)氏は地元テレビ局に対し、ファジル・リビアの軍事拠点が22日夜に空爆されたことを受けて「国家主権を守る」ための緊急会議を開くと述べた。GNCの権限は今月、6月の選挙を踏まえた議会の発足に伴って失効している。

 ファジル・リビアのスポークスマン、アフメド・ハディア(Ahmed Hadia)氏によると、22日夜の空爆では戦闘員13人が死亡、20人が負傷した。これに先立つ18日夜にも、所属不明の航空機2機が軍事拠点を空爆したという。ハディア氏は、アラブ首長国連邦(UAE)とエジプトが空爆に関与したと非難した上で、「適時に報復する権利は留保する」と強調した。(c)AFP/Mohamed Hasni