【8月22日 AFP】イスラエル警察は21日、パレスチナ自治区から発射されたロケット弾から市民を守るための避難所が、小規模なマリファナ栽培場を備えた簡易カジノに改装されているのを発見した。

 パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配しているイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)との衝突でガザからのロケット弾攻撃にさらされているイスラエル南部の住民らは、1か月以上の間、警報のたびに水と発電機を備えたコンクリートの避難所で何時間も、時には一晩中過ごしている。

 こうした避難所は、イスラエル南部の多くの住民にとって日常生活の一部となっているが、必要に迫られた時しか開放されないため、豪華さなどはみじんもなく、しばしば汚れている。

 しかし、ガザ地区の北東約20キロに位置するイスラエルのキルヤト・ガト(Kiryat Gat)の警察は、不正な目的のために使用されている避難所を摘発したと発表した。

 警察が撮影した映像をAFPが確認したところ、ギャンブル用の台やチップ、酒瓶の他、地元で栽培されたとみられるマリフアナ1キロが発見された。

 イスラエルではギャンブルは法律で禁じられており、違反すれば禁錮3年の刑が科される可能性がある。マリフアナの栽培および使用も法律で禁止されている。

 警察の報道官は、「数百万人がこうした避難所での生活や睡眠を余儀なくされている時に、われわれは非常に心を痛めています」、「警報が発令された時に、地元の避難所がカジノや麻薬製造所になっていた時のことを想像してみてください」と語った。

 警察は、避難所が建設された土地の所有者である50歳代の農場経営者を逮捕した。

 警察の報道官はこの男について、現場で見つかった道具はすべて息子のものだと捜査官らに供述したことを明らかにしたが、この息子に対して警察がどのような対応を検討しているかについては言及しなかった。(c)AFP