【8月21日 AFP】(一部更新)軍政下にあるタイの国民立法議会(National Legislative Assembly、定数197)は21日、軍政トップのプラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)陸軍司令官を暫定首相に指名した。首相に立候補したのはプラユット氏1人だった。

 5月22日のクーデターで全権を掌握したプラユット氏は、賛成191、棄権3、欠席3で首相に指名された。正式な就任にはタイのプミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王の承認が必要だが、この手続きは単に儀礼的なものとみられている。

 政情が不安定なタイで、軍政トップの首相指名は、軍による統治を盤石なものにすることが狙いとみられている。米国や欧州連合(EU)は民主主義の回復を呼び掛けているが、軍政は2015年10月ごろまで総選挙を実施しない方針を示している。

 9月に軍司令官を退任するプラユット氏は、亡命中のタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相の政敵とみられている。タクシン元首相は2006年のクーデターで権力の座を追われ、以後、タイでは政情不安が続いている。(c)AFP