タコの擬態をヒントにした新カモフラージュ素材、米科学者ら開発
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【8月20日 AFP】タコが持つカモフラージュ能力をヒントに、自動的に周囲と模様を合わせることができる薄くて柔軟な新素材を開発したと、米科学者が率いる国際研究チームが19日、発表した。
コウイカ、イカ、タコなどの頭足動物は、皮膚のセンサーを使って周辺の見かけを擬態することができる。技術者と生物学者らからなるチームは、同様の働きをする素材をつくるため、米海軍の資金提供を受け3年にわたり研究を進めてきた。
米科学誌「米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)」の今週号に載った最初の成果は、商品化には程遠いものだ。だが専門家らによると、建築家やインテリアデザイナー、高級服メーカー、そして軍部の関係者らは、やがて実現される世界初の人造カモフラージュ素材に注目しているという。
論文の主執筆者でイリノイ大学(University of Illinois)物質化学工学部教授のジョン・ロジャー(John Rogers)氏は、「この素材は、白い光やさまざまな模様を照射すると自動的に反応し、それぞれに合った模様を作り出す」と説明している。
複数の層からなるこの素材には、感温染料と感光センサーが含まれており、周囲の変化に合わせ1~2秒で模様を変化させることができる。染料は、低温では黒に見えるが、47度を超えると透明になる。
「これら装置は、使用者のインプットや外部測定なしに、周辺の模様と自発的にマッチする白黒模様を生み出すことができる」と論文は述べている。
国際研究チームには、中国有数の研究所に所属する化学と力学の専門家らや、頭足類皮膚生理学の世界的権威、ロジャー・ハンロン(Roger Hanlon)氏が含まれている。(c)AFP/Kerry SHERIDAN