電子書籍価格設定問題、独作家ら1200人がアマゾンに抗議
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【8月19日 AFP】電子書籍の価格設定をめぐる問題で、米インターネット小売り大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)が取った「措置」に対して抗議の声が上がっている──。北欧の出版社ボニエール(Bonnier)のドイツ法人と争っているアマゾンに対して、ドイツ語作家1200人近くが抗議文に署名した。
電子書籍の価格設定で、アシェット・ブック・グループ(Hachette Book Group)とも争っているアマゾン。先月には、アマゾンに宛てた抗議文に米国の作家ら900人以上が署名している。ドイツでの抗議はこれに続くもので、1200人近い作家がアマゾンのやり方を非難する公開書簡に署名した。文面には、価格設定に関する争いをめぐり「アマゾンは作家を人質にしている」とあった。
「この数か月間、ボニエールの作家は避けられている。在庫も保管されていない状況だ」
この書簡には、ノーベル文学賞を受賞したオーストリアのエルフリーデ・イェリネク(Elfriede Jelinek)氏や、独PEN作家協会のレグーラ・ベンスケ(Regula Venske)会長も署名している。
書簡には、「(サイトでは)在庫についての誤った情報が掲載されているため、該当する本の配達が遅れ気味になっている。またアマゾンの推薦リストに、関係する作家の名前が載らなくなった」とあり、「アマゾンには、この争いに直接関係のない作家らを人質にする権利などない」と抗議した。
ドイツの出版団体は6月下旬、アマゾンが値引きを求めて出版社を「脅迫」しているとして、国内の価格競争監視当局に苦情の申し立てをしている。(c)AFP