【8月18日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創始者で、2年前から英ロンドン(London)のエクアドル大使館の保護下にあるジュリアン・アサンジ(Julian Assange)容疑者は18日に記者会見を開き、近く大使館から出ると発表した。

 一方、ウィキリークスは、英政府と合意が整うまでアサンジ容疑者はエクアドル大使館を離れないと、本人の声明よりも表現を弱めている。

 アサンジ容疑者は会見で「確実にもうすぐこの大使館を離れる」と述べたが、その理由については詳しくは語らなかった。

 英メディアは前週末、ウィキリークスの情報として、アサンジ容疑者が命にかかわる不整脈に見舞われており、また慢性的な肺疾患もあり、血圧も危険なほど高いと報じた。

 しかし、ウィキリークス広報のクリスティン・フランソン(Kristinn Hrafnsson)氏はAFPの取材に対し「ジュリアン・アサンジが言わんとしたことは、英国政府が約束を守り次第、すぐに出ていく予定だということだ」と語った。

 アサンジ容疑者の会見には、エクアドルのリカルド・パティニョ(Ricardo Patino)外相が付き添った。パティニョ外相はアサンジ容疑者がエクアドル大使館を離れる予定については触れなかったが、アサンジ容疑者の件に関係する各国政府に対応を求め「現在の状況には終止符を打つべきだ。2年間は単純に長すぎる……わが国は引き続き彼に保護を提供する……ジュリアン・アサンジ氏の人権に対するこの深刻な侵害に解決策を見つけ出すため、引き続き英政府やスウェーデン政府と協議する用意がある」と述べた。

 アサンジ容疑者は、容疑を否定している性的暴行で逮捕されたが、保釈中にスウェーデンへの送還を逃れるため、2012年6月に在英エクアドル大使館に亡命を求めた。アサンジ容疑者は、スウェーデンへの送還が米国への移送の口実となり、米軍の機密文書および米外交電を公開したウィキリークスをめぐり裁判を受けることを懸念している。(c)AFP