【8月18日 AFP】シリアで日本人男性が武装勢力に拘束され手荒な尋問を受けている様子を撮影したとみられる動画がインターネットに投稿されたことを受けて、日本政府は18日、この動画を調査していると発表した。

 問題の動画は、週末にネットに投稿されたもので、「ハルナ・ユカワ」と名乗る男性が顔から血を流しながら地面に倒れ、男性を拘束したと思われる相手に質問されている様子が映っている。男性の髪は乱れ、着ているTシャツは泥と汗で汚れている。

 ビデオの中で男性は、シリアにいる理由や銃を持っていた理由を英語で問いただされ、「自分は写真家」で「半分、医者だ」「兵士ではない」などと短く答えている。

 外務省は現在、隣国ヨルダンで業務を行っている在シリア日本大使館を通じ、男性の身元確認を急いでいると発表した。ある外務省高官はAFPの取材に対し「ソーシャルメディアで伝えられている内容については了解している。現在、(男性の国籍を含め)情報の確認を試みている」と語った。

 同省のテロ対策室によれば、誘拐などの犯行声明は出ていない。斎木昭隆(Akitaka Saiki)外務次官は報道陣に「シリアは混乱状態にあり、色々なルートで確認している」と語った。

 インターネット上には、「ユカワ」氏と同一人物とみられる男性が、シリア国内でカラシニコフ自動小銃(AK-47)を試し撃ちしている画像も出回っている。このビデオは東京の民間軍事会社「PMC JAPAN」のウェブサイトでも閲覧できる。

「PMC JAPAN」の代表は「湯川遥菜」氏となっており、同社サイトには日本の右派活動家などと一緒に写った写真が掲載されている。18日現在、同社への電話には応答がない。湯川氏のブログには、アサド政権軍による虐殺との説明が付いたシリア北部アレッポ(Aleppo)の映像が掲載されている。

 日本のメディアは紛争地帯をよく取り上げるが、日本人が海外の紛争に戦闘員として参加する例は限られている。(c)AFP