【8月18日 AFP】白人警官が武器を持っていなかった黒人少年を射殺した事件をめぐる抗議デモや暴動が1週間にわたり続く米中西部ミズーリ(Missouri)州ファーガソン(Ferguson)で17日未明、抗議デモを行った住民らと警官隊が衝突し、7人が逮捕された。また女性1人が何者かに撃たれ、重体となっている。

 ジェイ・ニクソン(Jay Nixon)州知事は同市に非常事態を宣言し、同日午前0時から同5時までの外出禁止令を発令していたが、約200人の住民がこれに逆らい抗議デモを強行。警官隊はデモを解散させるため、発煙弾と催涙ガスを使用した。

 州知事から同市の治安回復責任者に任命されたアフリカ系米国人のロン・ジョンソン(Ron Johnson)警部は、発砲事件1件と武装した人々がレストランに侵入したとの通報があったため警官隊を出動させたと述べている。

 地元メディアは外出禁止令が翌日夜も継続される見込みと伝えており、再び衝突に発展する恐れもある。

■強盗映像公開で高まる怒り

 9日に射殺された黒人少年、マイケル・ブラウン(Michael Brown)さん(18)の両親は、事件後に警察が息子をコンビニストアの強盗容疑者と名指しし、強盗事件を捉えた防犯カメラ映像を公開したことについて、ブラウンさんの人格をおとしめようとする試みだと非難している。

 ブラウンさんを射殺した白人警官は、強盗事件については知らず、道路の真ん中を歩いていたというだけの理由でブラウンさんを制止したとされる。

 映像公開は広い批判を呼び、ニクソン知事も事前報告なしの公開に「不満」を感じたと苦言を呈している。また米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が連邦司法当局者の話として伝えたところでは、射殺事件についての独自捜査を行っている米司法省はファーガソン警察に対し映像公開を控えるよう要請していたという。

 また司法省は、エリック・ホルダー(Eric Holder)司法長官が、事件の「特異な状況」に鑑み、連邦当局によるブラウンさんの遺体の再検視を命じたと発表した。(c)AFP/by Michael Thomas