【8月16日 AFP】パナマで15日、パナマ運河(Panama Canal)開通100周年を祝う式典が行われた。同国は、21世紀の国際競争力維持の遅れを取り戻すため、大急ぎで同運河の拡張工事を進めている最中だ。

 世界貿易の姿を一変させた工学的偉業といえるパナマ運河は、1914年8月15日に開通して大西洋と太平洋を結んだ。南米を回る長くて危険な船旅を回避できるようになった。

 開通100周年を祝う人たちは太平洋側のミラフローレス(Miraflores)閘門(こうもん)で太陽の光を浴び、運河に「ハッピーバースデイ」を歌い、パナマ運河をかたどった全長約4メートルのチョコレートケーキを写真に撮り、ダンサーたちによるパナマの伝統的な踊りを楽しんだ。

 パナマ運河庁のホルヘ・キハノ(Jorge Quijano)長官が挨拶で、世界海上貿易の5%を扱う同運河にとって「本日は通常の営業日で、いつもと同じく、平均35隻の船が毎日、大西洋と太平洋の間の距離を短縮した運河を通ります」と述べた。

 パナマ運河の歴史が2世紀目に入った後、最初に同運河を通航したのはギリシャ船ガリニ(Galini)号で、カリブ海から太平洋に向けて約80キロメートルを移動した。ちょうど100年前には米国の蒸気船アンコン(Ancon)号が同運河を通航した。

 エジプトのスエズ運河(Suez Canal)はパナマ運河より通航容量が大きい上、40億ドル(約4000億円)をかけて現在のスエズ運河と並行する「新スエズ運河」を建設する計画もある。ニカラグアでも、現在のパナマ運河を通ることができない超大型貨物船も通航できる運河の建設計画が動いている。

 これらの動きに対応するため、パナマ運河では拡張工事が進められている。拡張工事は開通100周年に合わせて2014年中に完了する計画だったが予定より遅れており、現時点では2016年1月に完了する予定になっている。(c)AFP/María Isabel SÁNCHEZ