【8月15日 Relaxnews】ラトビアの首都リガ(Riga)には、旧ソ連の国家保安委員会(KGB)のラトビア本部だった「角の家」と呼ばれる建物がある。旧ソ連時代にラトビアで最も恐れられていた場所の1つだ。今夏、その暗い過去の秘密を目撃しようと、多くの人々がこの建物を訪れている。

 ロシアが旧ソ連時代の裏庭に影響力を拡大しようとする中、当時、旧ソ連の支配下にあったラトビアを含むバルト3国には協調した動きが見られる。過去の恐怖を暴露することで、全体主義の過去を覆い隠そうとするロシアの狙いに対抗するというものだ。

「角の家」は1912年に建てられた。当時のアールヌーボー様式の優雅さは健在だが、汚れ、劣化した外観には不気味さが漂う。

 1991年、ラトビアは崩壊しつつあるソ連から独立。同建物はKGBが解散したことで閉鎖されていた。しかし、今年リガが「欧州文化首都」に選ばれたことを受け、今夏、期間限定で公開される運びとなった。

 ガイドのAija Abens氏はAFPの取材に対し、「訪れる人の中には、中に入ることをやめる人もいます。泣き崩れる人もいます。きっとここに収容された方、またはその家族なのでしょう」と語った。多くのラトビア人がこの建物で尋問や拷問を受け、一部は建物内で処刑されたという。(c)Relaxnews/AFPBB News