【8月14日 AFP】南米チリ北部に1877年の大地震以降、蓄積されてきた膨大な地震エネルギーが巨大地震を引き起こす恐れがあると警告する2つの研究論文が13日、英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された。チリでは4月にマグニチュード(M)8.2級の大地震があったが、この時に放出されたエネルギーは、ほんの一部だという。

 4月1日に北部沿岸(Iquique)を直撃したマグニチュード(M)8.2の地震では6人が死亡し、約100万人が避難を余儀なくされたが、2論文によると、これは地質学者らが予測していた巨大地震ではない可能性が高い。

 かねてから地質学者らは、1年におよそ7センチの速度で海洋プレートが南米大陸の下に動いているチリ北部の沈み込み帯に着目してきた。

 2つのプレートの境界が重なり合う沈み込み帯は、巨大地震の発生地帯として知られる。

 M8.6~8.8とみられるはるかに強い1877年のチリ地震は、チリ北部の断層から500キロほどの距離が震源だった。

 強い余震を伴った4月1日の地震では、長年地震がない地震空白域にある活断層のほんの一部が動いたに過ぎず、巨大地震につながる膨大なエネルギーが蓄積していると、論文は警告している。(c)AFP