【8月14日 AFP】オーストラリア・ビクトリア(Victoria)州の病院は14日、200人以上の患者の担当医師たちに対し、患者の退院を報告すべきところを誤って死亡通知を送付したとして「素直な」謝罪の意を表明した。

 豪大衆紙ヘラルド・サン(Herald Sun)によると、同州メルボルン(Melbourne)にあるオースティン病院(Austin Hospital)のミスは、通知の送付から数時間後に明らかになり、通知を受け取った医師らには速やかに連絡が入った。しかし、少なくとも1人の医師は、患者の家族に弔意を表すための電話をかけてしまった後だった。

 同病院を運営するオースティン・ヘルス(Austin Health)は、先月30日に誤った通知が送付されたのは「人為的ミス」によるものだと認めている。死亡通知のテンプレートを変更した際、退院通知として保存してしまったのが原因だという。

 オースティン・ヘルスの広報担当者は声明で、「13日午前にミスに気付き、病院は速やかに通知を送付した医師たちに連絡した。医師たちの大半は、理解を示してくれた」と説明。「影響を受けた医師たちに対し、素直に謝罪する」と述べると共に、患者の治療に影響は出ていないと付け加えた。

 しかし、オーストラリア医師会(Australian Medical AssociationAMA)同州支部のトニー・バ―ト―ン(Tony Bartone)会長は、同病院の重大なミスについて「容認できない」と述べ、「ビクトリア州の医療制度において患者のケアや患者からの信頼が、IT関連の問題によって損なわれることがあってはならない。通知を受け取った医師たちの多くは、患者やその家族と長期にわたって関係を築いてきた。子どもや10代の若者たちの予期せぬ死を知らせるものだったとすれば、こうした通知を受け取ることはつらいことだったはずだ」とする声明を発表した。(c)AFP