【8月13日 AFP】インドネシアのリゾート地、バリ(Bali)島にある高級ホテルで12日、スーツケースに入れられた女性の米国人観光客の遺体が発見され、被害者の娘と交際相手の男が殺人の疑いで身柄を拘束された。地元警察が13日、発表した。

 遺体で発見されたのはシーラ・フォン・ビーゼ・マック(Sheila von Wiese Mack)さん(62)で、遺体には暴行を受けた痕があったという。スーツケースは、バリ島ヌサドゥア(Nusa Dua)地区にある5つ星ホテル、セント・レジス(St. Regis)の前に駐車していたタクシーのトランクの中から発見された。医師によると、被害者は半裸で、頭部に複数の傷があるなど争った痕跡があった。

 地元警察のジョコ・ハリ・ウトモ(Djoko Hari Utomo)署長が報道陣に説明したところによると、被害者は娘のヘザー(Heather von Wiese Mack)容疑者(19)とその交際相手、トミー・シェーファー(Tommy Schaefer)容疑者(21)と共に同ホテルに宿泊していた。

 シェーファー容疑者は11日にホテルに到着。被害者とヘザー容疑者はその数日前に2人でチェックインしていた。ウトモ署長によると、11日夜、ホテルのロビーに設置された防犯カメラには、被害者とシェーファー容疑者が口論する様子が映っていたという。

 ヘザー容疑者とシェーファー容疑者は翌12日にそろってチェックアウトし、タクシーに複数のスーツケースを預けた。ウトモ署長によれば、両容疑者がホテルの正面入り口ではなく裏手からビーチへ出て行く姿が防犯カメラの映像で確認されていた上、2人がスーツケースを載せて待たせていたタクシーに戻らなかったことが、被害者の遺体発見につながった。

 署長はAFPの取材に対し、2人の捜索を開始した警察は、ヌサドゥアの北の観光地レギャン(Legian)にあるホテルで13日朝、眠っていた容疑者らを発見、身柄を拘束したと語った。(c)AFP